Salesforceは多機能であるがゆえに、初心者の方にとっては「どこを見ればいいのか」「何ができるのか」が分かりづらく感じられることも多いでしょう。
この記事では、初めてSalesforceを触る方に向けて、日常的によく使う4つの主要画面 — ホーム画面、リストビュー画面、レコード画面、設定画面 — の見方と活用のコツを詳しく解説します!
Developer Edition(開発者向け無料環境)作成後の人は、補足手順1を参照しSales Cloudを開くと後述のホーム画面を開けます!
※初心者がSalesforceを学ぶ際に最も基本となるのが、このSales Cloudです。CRMの中心的な要素を体験し、Salesforceの仕組みを理解するのに最適なアプリです。
※Developer Edition(開発者向け無料環境)を作成し、手を動かしながら理解を深めたい方はこちら!
Salesforce画面上部の主な構成要素
Sales Cloudを開くと、画面上部にはSalesforce全体を操作するためのメインメニューやショートカットが配置されています。
これらを理解することで、どの画面からでもスムーズに操作できるようになります。

主な構成要素(番号付き):
- アプリケーションランチャー(App Launcher):左上の9つのドットのアイコン。クリックすると利用可能なアプリ一覧が表示され、他のアプリ(例:Service Cloud、Marketing Cloudなど)に切り替えることができます。
- グローバル検索バー:Salesforce全体からレコードを横断検索できます。取引先名やメールアドレスなどを入力するだけで候補がリアルタイム表示されます。
- ナビゲーションバー(タブ一覧):主要なオブジェクト(取引先、商談、リード、レポートなど)を切り替えるためのタブが並んでいます。タブを追加・削除したり、順番を変更することも可能です。
- 編集アイコン(鉛筆マーク):ナビゲーションバーに表示するタブの順番や内容をカスタマイズできます。これにより、自分の業務に合わせたメニュー構成に調整できます。
- お気に入りリスト(星アイコン):よく使う画面やレコードをお気に入り登録し、ワンクリックでアクセス可能にします。
- グローバルアクションメニュー(+アイコン):新規レコードの作成(商談、取引先、タスクなど)やメール送信などの共通操作をどの画面からでも実行できます。
- ガイドセンター(Guide Center):Salesforceの新機能やおすすめ操作、トレーニングリソースがまとめられたガイドページを開くことができます。
- Salesforceヘルプ(Help):Salesforceの公式サポートページにアクセスできます。困ったときやエラー発生時に使用し、操作方法・設定手順・最新機能などを検索できます。
- 設定(Setup)アイコン(歯車):システム設定や個人設定にアクセスできます。管理者はここからユーザー管理やレイアウト変更を行い、一般ユーザーも通知や署名設定などを調整できます。
- 通知アイコン:新しいアラートやお知らせを確認できる通知ベルです。
- プロフィールアイコン:個人設定、テーマ変更、ログアウト、開発者コンソールなどのオプションにアクセスできます。
1. ホーム画面の見方
ホーム画面は、Salesforceにログインした直後に表示されるページで、日々の業務の出発点となります。
基本的には自分の活動状況を把握したり、重要なデータに素早くアクセスしたりするために組織ごとにカスタマイズされています。

主な構成要素:
初期設定での構成要素をご紹介します。
- パフォーマンスチャート(目標達成率):営業担当者はここで自分の目標に対する進捗を確認できます。チーム全体の成果を表示するウィジェットも設定可能です。
- 今日のToDo:ToDoリスト形式で本日や今週の予定を確認できます。Googleカレンダーなどと連携している場合は、外部の予定も同時に表示されます。
- 最近のレコード:過去にアクセスした商談や取引先などが時系列で一覧表示され、再訪問がスムーズです。
2. リストビュー画面の見方と操作のコツ
リストビュー画面は、複数のレコードを表形式で一覧表示する画面です。
Salesforceを使ううえで最も頻繁にアクセスするページのひとつで、Excelのような感覚でデータを扱うことができます。
今回は商談を例に説明します。
③のレコード一覧が表示していない場合は補足手順2をご参照ください。

主な構成要素:
- リストビュー選択ドロップダウン(▼):現在表示しているリストビューを切り替えるためのメニューです。「自分が所有する商談」「すべての商談」などを選択できます。
- ピン留めアイコン:特定のリストビューを常にデフォルトで表示したい場合に使用します。ピンをクリックするとそのビューが固定されます。
- レコード一覧:リストビューの中央部分に表示されるデータの一覧。各行が個別のレコードを示し、列には項目(例:商談名、金額、ステージ、完了予定日など)が並びます。行をクリックするとそのレコードの詳細画面(レコードページ)へ遷移します。
- 行レベルアクションメニュー(Row-Level Actions Menu):各レコードの右端に表示される三角ボタン(▼)です。クリックすると、そのレコードに対して実行できるアクションの一覧(例:編集、削除、クローズ、メール送信など)が表示されます。リストビュー上から直接操作を行いたい場合に便利な機能です。
- 検索バー:現在のリストビュー内で特定のレコードを素早く検索できます。部分一致にも対応しています。
- 新規ボタン(+):新しいレコード(商談、取引先、リードなど)を作成するためのボタンです。
- 印刷用に表示ボタン:リストビューの内容を印刷用に整えたレイアウトで表示します。
- 表示ラベルを割り当てボタン:レコードに特定のラベルや分類を割り当てることができます。
- リストビューコントロール(歯車アイコン):他のユーザーとビューを共有したり、ビューを複製・削除したりできます。
- リスト表示切替ボタン:リストをカード形式(Kanbanビュー)または表形式(テーブルビュー)に切り替えできます。Kanbanビューではステージや進捗を視覚的に確認でき、ドラッグ&ドロップでステータス変更も可能です。
- 更新ボタン:最新のデータを取得してリストを更新します。新規レコード追加や変更内容を即時に反映させる際に使用します。
- 列の並び替え機能:列のヘッダーをクリックすると、昇順・降順にデータを並べ替えることができます。数値・日付・テキストの順序を切り替えて分析が容易になります。
- リストを編集ボタン(鉛筆アイコン):複数のレコードをまとめて編集できる「リスト編集モード」に切り替えます。営業担当者がステージや金額を一括で更新する際に便利です。
- グラフボタン:リストビュー上のデータをグラフ化して、進捗や傾向を視覚的に確認できます。棒グラフ・円グラフなどの形式を選択可能です。
- 検索条件ボタン:リスト全体を対象に詳細条件を指定して検索できます。複数条件(例:金額・担当者・地域など)を組み合わせた分析も可能です。
業務ごとにカスタムリストビューを作っておくと、必要なデータにすぐアクセス可能となります!
作成方法は以下のページを参照!
Salesforce リストビューの設定や課題対応
3. レコード画面の見方
レコード画面では、1件のデータ(例:特定の商談・取引先・リード)に関する詳細情報を表示・編集します。
この画面を理解することで、Salesforceを「データベース」としてだけでなく、「顧客関係の履歴管理ツール」として活用できるようになります。

主な構成要素:
- フィールド:商談や取引先などの情報が表示される項目。名称・金額・ステージなど、重要なビジネス情報を確認できます。
- フィールド編集アイコン:各フィールドの横に表示されるペン型アイコンで、その項目のみを直接編集できます。
- 詳細タブ:レコード画面内にも複数のタブがあり、画像は「詳細」タブを開いた状態です。ここで基本的なフィールド情報を確認します。
- 関連タブ:活動履歴、メール、ファイル、ケースなど、レコードに関連する情報を一覧表示します。
- 関連リストアクションメニュー:関連リスト右端の三角マーク(▼)をクリックすると、「新規作成」「並べ替え」「削除」などの操作を選択できます。
- フォローボタン:レコードをフォローして、更新時に通知を受け取る機能です。重要な商談や取引先を追跡する際に便利です。
- 新規ケースボタン:顧客対応に関する新しいケース(問い合わせ・サポートチケットなど)をレコードに紐づけて作成できます。
- 新規メモボタン:レコードに関するメモを追加する機能で、商談の詳細や補足を記録できます。
- コピーアクション:レコードの内容を複製して新規レコードを作成します。
- アクションメニュー:画面右上にある三角ボタン(▼)で、「削除」「複製」「共有」「承認申請」などの主要操作をまとめて実行できます。
- 商談フェーズパス:商談レコードの進捗を示すビジュアルバー。ステージごとに色分けされ、ドラッグ操作で進捗フェーズを更新できます。
- 完了済みフェーズ変更:クローズ済みの商談でも、権限を持つユーザーはステージを再編集して履歴を修正できます。
4. 設定画面(Setup)の見方と基本操作
設定画面(Setup)は、Salesforce全体の構成を管理・調整するための管理者向けツールですが、一般ユーザーにとっても便利な機能が多くあります。画面左側にあるナビゲーションメニューと中央の設定ウィンドウで構成されています。
設定画面は右上の歯車ボタンから開けます。

開くと以下の画面が表示します。

②のオブジェクトマネージャーを押下すると以下の画面になります。

主な構成要素:
- ホーム:設定画面を開いた直後に表示されるトップページです。おすすめ設定や最近のシステム情報、学習リソース(Trailheadリンクなど)がまとめられています。
- オブジェクトマネージャー:すべてのオブジェクト(取引先、商談、リードなど)を管理・設定するエリアです。各オブジェクトの項目やレイアウト、ページ構造を編集できます。
- クイック検索欄:設定画面の左上にあり、キーワードを入力して設定項目を素早く検索できます。例:「ユーザ」「レポート」などを入力すると、関連設定が自動的に絞り込まれます。
- 検索結果の設定一覧表示欄:クイック検索の結果がリスト形式で表示される領域です。クリックすることで対象の設定ページに直接移動できます。
- オブジェクト一覧:オブジェクトマネージャー内で、組織内のすべてのオブジェクトが一覧表示されます。標準オブジェクトとカスタムオブジェクトが区別され、アルファベット順で並んでいます。
- オブジェクトクイック検索欄:オブジェクトマネージャー内で特定のオブジェクトを素早く探すための検索ボックスです。
- スキーマビルダー:オブジェクト間の関係を視覚的に確認できるツール。フィールドやリレーションをドラッグ&ドロップで確認・作成できます。
- 作成ボタン:新しいオブジェクトや項目、ルールなどを追加する際に使用します。「作成」メニューから目的の要素を選択して新規登録が可能です。
設定画面は基本的にはカスタマイズ不可能です!
まとめ:画面構造を理解することが効率化の第一歩
Salesforceの画面構成は、ここで紹介した基本構造をベースにしていますが、実際の画面は組織ごとに大きく異なります。
各企業やチームが自社の業務プロセスに合わせて、レイアウトや項目、ボタンの表示内容をカスタマイズしているためです。
そのため、学習時には「自分の環境ではどのように設定されているか」を意識して確認することが大切です。標準機能を理解した上で、自社のカスタマイズ内容を把握すれば、Salesforceをより効果的に活用できるようになります。
補足手順
補足手順1:Sales Cloudを開く方法
- Salesforceにログインすると、最初に「App Launcher(アプリケーションランチャー)」のアイコン(左上の9つの点のグリッド)があります。

2. クリックすると、利用可能なアプリの一覧が表示するので、検索バーに「セールス(Sales)」と入力します。

3. 表示された「セールス(Sales)」アプリをクリックします。

これでSales Cloudのメイン画面(タブ一覧が表示される画面)が開きます。
今開いているのが前述のホーム画面です。
補足手順2:商談リストビュー画面を開く手順
レコード一覧が表示していないときは、リストビューが「最近参照したデータ」となっている場合があります。
以下の手順ですべてのレコード一覧を表示できます。
- 画面上部のナビゲーションバーから「商談(Opportunities)」タブをクリックします。
- 商談リストビュー画面が開きます。初期表示では「最近参照したデータ」が設定されています。
- 画面左上にあるリストビュー選択ドロップダウン(▼)をクリックします。
- 表示された一覧から「すべての商談(All Opportunities)」を選択します。
- すべての商談レコードが一覧で表示されます。このリストは列の並び替えやフィルタ変更も可能です。

