社会人になり、「Salesforce(セールスフォース)」というワードを聞いたことがある人は多いのではないでしょうか?
本記事では、新卒からSalesforceエンジニアとして携わっている筆者がIT未経験者でもわかりやすいように「Salesforce」とは何か解説します!
仕事で初めてSalesforceシステムを使うことになった人、これからSalesforceを学び始めたい人に向けた記事となっています!
セクションごとにIT用語の解説もあるので初心者でもわかりやすいはず…!
Salesforceとは何か
Salesforce(セールスフォース)は、世界中で最も広く使われているクラウド型CRM(顧客関係管理)システムのひとつです。
・顧客情報、商談履歴、サポート対応、契約情報、購買履歴などを一元管理できる
・営業、マーケティング、サポートなど、複数部門で同じ情報を共有できる
・クラウドベースのため、インターネット環境があればどこからでも利用可能
・サーバー構築やメンテナンスが不要で、運用コストを削減できる
顧客情報、商談履歴、サポート対応、契約情報、購買履歴など、顧客に関するあらゆるデータをクラウド上で一元的に管理できます。これにより、営業・マーケティング・カスタマーサポートといった部門間での情報共有が容易になり、チーム全体で顧客を「見える化」した対応が可能となります。
さらに、クラウドベースであるため、インターネット環境さえあればどこからでも利用でき、在宅勤務やモバイルワークにも柔軟に対応します。従来のオンプレミス型システムのようにサーバー構築やメンテナンスが不要な点も、多くの企業にとって大きな魅力となっています。
用語解説
- CRM(Customer Relationship Management):顧客関係管理の略。顧客との関係を長期的に維持・発展させるための戦略や仕組み。
- クラウド型:インターネット経由でサービスを利用する形態。自社でサーバーを管理する必要がない。
- オンプレミス型:社内サーバー上で運用する従来型システム。
Salesforceがないとどう困るか
一方でSalesforceがないとどのような困難があるでしょうか?
よりイメージしやすくするためにSalesforceがないと困ることを説明します!
SalesforceのようなCRMがない場合、企業は多くの課題に直面します。
・顧客情報が部署ごとに分散し、営業・サポート間で情報共有ができない
・顧客対応に一貫性がなく、顧客満足度が低下する
・担当者変更時に引き継ぎトラブルが発生する
顧客情報が部署ごとに分散し、営業やサポート間で情報共有ができず、顧客対応の一貫性が失われてしまいます。
また、商談や案件の進捗状況をリアルタイムで把握できないため、経営判断が遅れたり、機会損失につながることもあります。
担当者が変わるたびに引き継ぎトラブルも発生します。
結果として、「顧客との関係性が見えない」「チーム間の連携が弱い」「データ活用が進まない」といった課題が積み重なり、企業の成長スピードが鈍化します。Salesforceは、これらの課題を根本的に解決するための仕組みとして機能します。
類似システムとの違い
Salesforceは多くのCRMやSFA(営業支援システム)と比較しても際立った特徴を持っています。
他の代表的なCRMとの比較
- Microsoft Dynamics 365:マイクロソフトの製品群との統合が強みで、ExcelやOutlookとの連携に優れています。
- kintone(キントーン):サイボウズが提供する業務アプリ作成プラットフォームで、日本国内では特に人気があります。直感的なUIで誰でも簡単にアプリを作成できるため、社内業務の効率化に向いています。
それでもSalesforceが選ばれる理由
- 高いカスタマイズ性:ノーコードやローコードによる開発が可能で、自社の業務フローに合わせて柔軟に設計できます。プログラミング知識がなくても設定変更できるため、現場での素早い改善が可能です。
- 豊富な連携機能:Slack、Google Workspace、Microsoft Teams、Zoomなど、ビジネスで利用する主要ツールとスムーズに連携可能。データの分断を防ぎ、業務をシームレスに接続できます。
- AppExchangeによる拡張性:Salesforce独自のアプリストア「AppExchange」には、数千ものアプリが公開されており、必要に応じて簡単に機能拡張ができます。
- グローバル対応:多言語・多通貨機能を標準で備えており、グローバル企業でも統一したプラットフォームとして利用できます。
他のCRMツールが特定業務に特化しているのに対し、Salesforceは企業全体のビジネスデータを統合する点で他を圧倒しています。
用語解説
- SFA(Sales Force Automation):営業支援システム。営業活動の自動化や効率化を目的としたツール
- ノーコード/ローコード:プログラミングをほとんど使わずにアプリを開発・構築する手法
- AppExchange:Salesforce内のアプリストア。追加機能を自由に導入できる
デメリット
一方、Salesforceにも導入時に注意すべき課題があります。
- コスト負担:ライセンス料金は他のCRMよりも高めに設定されているケースがあります。導入規模や機能選定を慎重に行うことが大切です。
また、Salesforceシステムは年3回もバージョンアップがあり、その度に影響確認などが必要となるため実際は導入支援パートナーによるサポートが必須となり、それらの費用もかかります。
- 学習コスト:多機能ゆえに、最初のうちは使いこなすまでに時間がかかることもあります。しかし、「Trailhead」などの学習ツールや、Salesforce公式のヘルプサイトなどが豊富なため比較的スムーズに習得できます。
これらの課題を踏まえ、段階的な導入と現場教育を進めることで、長期的には高いリターンを得られます。
上記のように費用が高いため、主に大企業が導入しています!
一方で開発は短期間でできるため開発費用は抑えられます!
用語解説
- ライセンス:ソフトウェアを利用する権利。Salesforceではユーザーごとに契約が必要
- 導入支援パートナー:企業のSalesforce導入やカスタマイズを支援する外部ベンダー
まとめ
Salesforceは、単なるCRMツールではなく、企業のデータと業務を統合する包括的なプラットフォームです。
営業管理・顧客サポート・マーケティング分析・データ活用を一元的に行える点で、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支える中核的な存在といえます。
導入初期には学習や設定に一定の時間が必要ですが、適切なサポートと運用体制を整えれば、その価値はすぐに実感できます。まずは基本機能から触れ、現場の課題を一つずつ解決していくことで、Salesforceの真価を体験できるでしょう。
今後、AIや自動化機能の発展により、Salesforceはさらに進化を続けていくことが予想されます。初心者の方も、今のうちから基礎を身につけておくことで、ビジネスの未来を支えるスキルを手に入れることができるでしょう!