Salesforce開発で用いるChrome拡張機能

Salesforceには、標準機能だけでなく、開発者が独自に機能を追加できる仕組みもあります。そのため、Salesforce開発を行うエンジニアには、効率よく開発・テスト・デバッグを行うためのノウハウが求められます。

この記事では、Salesforce初心者エンジニアが開発業務をスムーズに進めるために役立つ「Chrome拡張機能」について紹介します。拡張機能とは、Google Chromeに追加して機能を強化する小さなプログラムです。

目次

Salesforce開発で多用するChrome拡張機能一覧

Salesforce開発者に人気のある拡張機能には、以下のようなものがあります:

  1. Salesforce Inspector
  2. SOQL Extractor and Analyzer
  3. Salesforce DevTools
  4. Force.com LOGINS
  5. Orca
  6. Enhanced Formula Editor for Salesforce
  7. Debug Logs Analyzer

この中で特に利用されている拡張機能は1. Salesforce Inspectorと3. Salesforce DevToolsになります。

次のセクションではこの二つの拡張機能について詳しく説明します。

それぞれの活用方法

1. Salesforce Inspector(現在はSalesforce Inspector Reloaded)

Salesforce Inspectorは、Salesforceのオブジェクトやデータを簡単に確認・編集できる拡張機能です。データの確認やクエリの実行を、通常のUIよりも迅速に行うことができます。

  • 主な機能
    • オブジェクトのデータをCSV形式でエクスポート
    • データの一括インポート
    • SOQL(Salesforce Object Query Language)・SOSL(Salesforce Object Search Language)クエリの実行
    • 項目情報の確認やコピー
    • オブジェクト構成の可視化(レイアウト、ページ構成の一部)
  • 使い方の詳細
    1. Salesforceにログインした状態で、画面右側に表示される薄い縦長のタブ「Show Inspector」をクリック。
    2. 「Data Export」ではオブジェクトを選択し、条件を指定してCSVでエクスポート可能。選択フィールドや条件も細かく指定できます。
    3. 「Data Import」では、CSVファイルをアップロードすることで複数レコードを一括登録・更新可能。
    4. 「Query Editor」では、SOQLやSOSLを直接入力し、リアルタイムでデータ取得。結果はコピーやエクスポートも可能。
    5. 「Describe」機能では、オブジェクトの構成(項目名、型、必須/任意など)を確認しやすく一覧で取得可能。
  • 補足情報
    • 以前のバージョン「Salesforce Inspector」は公式サポートが停止しましたが、現在はコミュニティによって開発・保守されている「Salesforce Inspector Reloaded」として利用可能です。
    • Reloaded版はUIや機能が改善されており、最新のSalesforce仕様にも対応しています。
  • 初心者ポイント
    • SOQLはSalesforce特有のクエリ言語で、SQLに似ていますが、オブジェクトベースで記述します。
    • SOSLは、複数のオブジェクトにまたがってキーワード検索するための言語です。
    • Inspectorを使うことで、開発者だけでなく管理者でも手軽にデータ操作・分析が行えるため、日々の業務効率が格段に上がります。

3. Salesforce DevTools

Salesforce DevToolsは、Salesforceのメタデータやオブジェクト構造の把握、開発・設計作業を補助する高機能な拡張機能です。

  • 主な機能
    • オブジェクトや項目の一覧表示(API名、データ型、説明、参照関係)
    • 関連オブジェクトとのリレーション表示(参照関係やルックアップ)
    • SOQLクエリ自動生成ツール(検索条件・表示項目をGUIで選択)
    • プロファイル別のフィールドレベルセキュリティ確認
    • 項目の検索機能(大量オブジェクトからの絞り込み)
  • 使い方の詳細
    1. Salesforceにログインすると、画面右上のツールバーにDevToolsのアイコンが表示される。
    2. 「Object Info」を開くと、すべてのオブジェクトの一覧が表示され、そこからオブジェクトを選択。
    3. 選択したオブジェクトの詳細(項目のAPI名、ラベル、型、必須/任意、参照先など)を確認でき、開発や調査に活用。
    4. 「SOQL Builder」を使えば、画面上で項目を選ぶだけでSOQL文が生成され、クエリに不慣れな初心者でも正確な検索が可能。
    5. 「Field Security」では、プロファイル単位でフィールドへのアクセス可否が可視化され、権限トラブルの調査にも便利。
  • 初心者ポイント
    • メタデータとは「データの情報」。Salesforceでは、オブジェクト構成や項目の属性、ページレイアウトなどが該当します。
    • DevToolsを使えば、設計書がなくてもオブジェクト間の関連性やデータ構造を一目で確認でき、開発スピードが格段に向上します。
    • フィールドの検索やクエリの生成など、普段時間がかかる作業も数クリックで完了するため、日常的な作業負担を大幅に軽減できます。

まとめ

Salesforceの開発では、多くの作業がブラウザ上で行われるため、Chrome拡張機能を活用することで作業効率が大幅に向上します。

初心者のうちは、拡張機能の多さに戸惑うかもしれませんが、まずは「Salesforce Inspector(Salesforce Inspector Reloaded)」や「DevTools」など、基本的なツールから使い始めるのがおすすめです。

少しずつ使い慣れていくことで、Salesforce開発の理解も深まり、より高度なカスタマイズや運用もこなせるようになります。自分に合った拡張機能を見つけて、Salesforceエンジニアとしてのスキルを一歩ずつ高めていきましょう。

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